バーチャル時代にふさわしい新技術を搭載した「Dell PowerEdge R810」登場

今回は2010年4月1日より出荷を開始した、インテル Xeon 7500番台対応の新機種から、2Uサイズに4ソケット32DIMMスロットを搭載した「Dell PowerEdge R810」をご紹介いたします(製品の仕様詳細はこちら)。


<高集積と省電力を両立>


この機種の特長は、これまで2ソケットが常識とされていた2Uサイズでありながら、4ソケットを搭載できることです。これで、より少ないスペースに、高い性能を集積できるようになります。Xeon 7500番台のプロセッサーは最大8コアですから、1台につき最大で32コアを搭載できるようになったのです。さらに、メモリは32スロットも搭載されており、最大で512GBの容量を実現できます。仮想化によるサーバ統合において、さらに高い集積度を実現できますから、スペース効率を重視するお客様に最適といえるでしょう。もちろん、これだけのスペックでありながら、省電力性の追求も忘れていません。1100Wのスリムな電源装置2つで稼働します。


余談ですが、フタを開けてみると、整然としつつも隙間なくメモリやプロセッサーが並んでいて感動すら覚えます。これを他社製品より少ないファンで冷却するのですから、それだけしっかりと冷却効率も考えられているということが分かります。ファンが少なく済むということは、それだけ電力消費量も少なく済む、ということですね。


<内蔵型ハイパーバイザを冗長化>


以上に挙げた項目だけでも、他社にない差別化ポイントとなるのですが、それだけで終わらないのがR810のすごいところです。お楽しみは先にとっておくとして、まずは内蔵型ハイパーバイザの冗長化について、ご紹介しましょう。デルは世界に先駆けて、サーバにSDカードを用いた内蔵型のハイパーバイザを実現しました。これで、仮想サーバの構築から作業を開始でき、セットアップ工数を大幅に削減できるのです。それを今回さらに進化させ、内蔵SDカードを2枚組み込み、冗長構成がとれるようになりました。これはR810だけでなく、R910/R815/M910でもサポートされます。詳しくは各機種の諸元をご確認ください。


<大量のメモリ・スロットを活用できる新技術を開発>


さて、お待たせしました。ここからが、R810最大のポイントです。2Uサイズに4CPUは魅力的な選択肢ですが、やはり4CPUまでは必要ないというお客様もいらっしゃいます。特に、プロセッサー単位で課金されるソフトウェアを利用される場合には、費用面がネックとなることもあるでしょう。


しかし、そうしたお客様も、できればメモリは多く使いたいのではないでしょうか。


ご存じないかもしれませんが、FSBを用いないNehalem世代のプロセッサーでは、CPUにメモリコントローラが搭載されています。したがって、CPUをフルに搭載していない場合、アクセスできるメモリ・スロットが減ってしまうのです。メモリ・スロットとCPUスロットがペアになっていると考えてください。そうなると、せっかくの32DIMMを活かせず、最大のメモリ容量も減ってしまいます。


そこでデルは考えました。CPUの代わりに「FlexMem Bridge(特許申請中)」と呼ばれる、金属モジュールをCPUソケットに差し込むことで、CPUが搭載されていなくてもメモリ・スロットを利用できるようにしたのです。しかも、このモジュールは無償で提供されるので、お客様が別途費用負担することはありません。

「FlexMem Bridge」


2ソケット CPU構成で、4ソケット全てのメモリ・スロットにアクセス可能


メモリを最大容量まで必要としない場合でも、この技術はお客様のコスト削減に貢献するはずです。なぜなら、より多くのメモリ・スロットを利用できれば、コストパフォーマンスの高いDIMMの組み合わせで、必要な容量を実現できるからです。たとえば、16スロットしか使えなければ、128GBのメモリ容量の実現に8GBのDIMMが必要です。それに対し、32スロットをフルに使えるとなると、4GBのDIMMで実現できるわけです。現時点において、4GBのDIMMは8GBのDIMMよりもコストパフォーマンスが高いため、同じ容量でも価格では大きく差がつくのです。


省スペース、省電力でありながら、常識を打ち破るハイパフォーマンス。さらに4ソケットモデルならではの、大量のメモリ・スロットを活かせる新技術。「Dell PowerEdge R810」は、バーチャル時代にふさわしいサーバであると確信しています。

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