2017年予測 創造的ワークステーションや最高IoT責任者、自己修復(セルフヒーリング)などの未来が登場

当資料は、2017年のIT業界に影響を与える大きなトレンド、変化、課題に対するデルのオペレーション部門副会長 兼 クライアントソリューションズ部門統括責任者 ジェフ クラーク(Jeff Clarke)による予測の抄訳版です。

 

2016年12月22日

デル株式会社

EMCジャパン株式会社

 

2017年予測

創造的ワークステーションや最高IoT責任者、

自己修復(セルフヒーリング)などの未来が登場

 

デル オペレーション部門バイスチェアマン クライアントソリューションズ部門統括責任者

ジェフ クラーク(Jeff Clarke

もし未来を予見することができたとしたら、あなたは、どのように自身の行動を変えますか?デル テクノロジーズが2016年10月に世界中の企業の意思決定者を対象に実施した調査では、66%がデジタル時代の新興企業との競争のために、ITインフラとデジタル スキル リーダーシップに投資していると回答しています。

これはとても納得できる数字です。この2、3年は激動の時期でした。

すべてのレンタルDVDショップ(例えばBlockbuster)にはNetflixのような競合が、また小売店(例えばBordersやSears)にはAmazonのような競合が存在していますが、今後さらに多くの破壊的変革が起こるでしょう。世界全体を通じて、既存企業は機略および革新の面でデジタル時代の新興企業に後れをとっています。先の調査では、既存企業の半数近くが、3~5年後に自社がどうなっているか想像できないと回答しています。

しかし、破壊的な変革の中には数多くのチャンスが存在しています。ここでは、2017年以降の7つの重要なトレンド(ラッキー7にかけて)を紹介します。これらのトレンドのいくつかは、間違いなくエッジからコア、クラウドまで、ビジネス環境に変革をもたらすでしょう。

1. イマーシブ クリエイティビティ没入型創造性がメインストリームへ

2017年は、イマーシブ クリエイティビティ(没入型創造性)の民主化の前兆を感じる年になるでしょう。非常に近い将来、クリエイターは超強力なテクノロジーによって魔法のようなテクノロジーを生み出せるようになり、そのテクノロジーもやがて広く普及することになるでしょう。

例えば設計や建築家であれば、建設予定地に赴き、実際の着工前の段階で建設予定建造物の実物大モデルを、デバイスを使って見ることができるでしょう。また何かの趣味に熱中するユーザーであれば、ノブをひねることや指先でのスワイプ、ペンの走り書きなどの動作で、何かを見たり、行なったりできるようになるでしょう。例えば、Minecraft(サンドボックス型のものづくりゲーム)をプレイしている子供なら、ポイント&クリックではなくタッチ&トーテムでMinecraftへの道を描くことができるでしょう。

2. 非物理的世界との融合

デルがグローバル規模で実施した Future Workforce Study(将来のワークスペースに関する調査)では、67%の回答者が自分の専門分野でAR(拡張現実)/VR(仮想現実)製品を使用したいと回答しています。今後数年で、VR/ARは大きな転換点を迎えるでしょう。

ハンズフリー デバイスによって、パラレル ワールドの世界への移行が促進されるでしょう ―― この世界では、ユーザーの想像力以外に制限するものは何もありません。ユーザーは時間やコストなどの物理媒体にともなう制約に縛られることなく、新しいスキルを学習し、サービスを提供し、他のユーザーとつながることができます。

物理世界と仮想世界の境界がなくなることで、例えば触覚のようにより没入的な感覚を通じて生きた教育を実現し、従来のような講義やバインダー、ノートは不要になるかも知れません。

ポケモンGOには1日あたり70万人の新しいプレーヤーが参加しているかもしれませんが、ARとVRには単にゲームに止まらず、より幅広い世界でチャンスが到来しています。

3. エアコン システム(HVAC)のセキュリティ確保

最近、車の整備士からソフトウェアのアップデートが必要だと言われたことはありませんか?ソフトウェアのアップデート ―― 決して聞き間違いではありません。コネクテッド ワールド(あらゆるモノがオンラインでつながっている世界)の時代では、事実上IPアドレスを持つあらゆるモノがハッキングされる恐れがあります。2015年にJeep Cherokeeがハッカーによって乗っ取られた事案は、その好例です。

2017年は攻撃の境界が広がり、ITネットワークを越えてビジネスのさまざまな領域にまで侵害が進むでしょう。守るべきものはデータだけではなく、エアコン システム(HVAC)なども対象になるということを理解することは、ビジネスを進める上で不可欠な認識となります。 

4. 5Ketc…

今は、誰もが2番手で満足する時代ではありません。なぜなのか。それは、私たちが速いスピードで進むことに慣れてしまっているからです。企業のR&D(研究開発)部門は、顧客に驚きと喜びを与えるために日夜努力しています。4Kディスプレイに取って代わる次の業界標準は5K解像度だろうと誰もが思ったまさにそのとき、2倍の解像度をもつ大型ディスプレイの噂が出回り始めました。

2017年、テクニカラー(彩色技術)環境は現実世界の方が色褪せて見えるレベルにまで、さらなる進化を遂げるでしょう。

5. 最高IoT責任者

企業において、Cレベル(最高責任者)の役員はあらゆる所に登場しています。中でも人気が高いのはCDO(最高デジタル責任者、Chief Digital Officer)ですが、いま新たに「最高IoT責任者(Chief IoT Officer)」という役割が生まれています。

なぜ最高IoT責任者が必要なのでしょうか。それは、企業が業務部門とIT部門との間のギャップを埋めることに対し、大きなプレッシャーを経験することになるからです。

最高IoT責任者は、ROIと効率性を高めるために、設備マネージャーやプラント マネージャーからCIO、CEOにいたるまで、あらゆるユーザーとコミュニケーションを取ります。

また、最高IoT責任者は変化の媒体としての役割を果たし、世界80億を数えるコネクテッド デバイスのリズムによって動く「第4次産業革命」の世界へと自社を引っ張っていく責任を負います(コネクテッド デバイスの数は2031年までに世界の人口の25倍を上回り、2,000億を超えるとEMCは予測しています)。大変な仕事です!

6. 治療より予防

すべての医師は、治療するより予防する方が良いと口を揃えて言うでしょう。現在では機械学習によって、あるテクノロジーの一部が故障しそうなタイミングを事前に知り、すぐに対応できるようになりました。自己修復(セルフヒーリング) テクノロジーによって、企業は故障や修理サービスに時間を費やすことなく、より戦略的なITプロジェクトに有能な人材を配置することが可能になります。

IDCは、2020年までにオペレーション プロセスの20%近くが自己修復や自己学習能力を備えると予測しています。これによって、人手による「消火活動」が必要な事案は劇的に減少するでしょう。

7. マシンによる未来予知

現在、オンライン上にあふれている膨大な量のデータの取り扱いに企業も従業員も苦労していることは誰もが知っています。しかし、このような大規模データによって、マシンがまったく新しい方法で物事を理解できるようになる時代がまもなくやってきます。例えば、米マサチューセッツ工科大学(MIT)では、視覚認知に関するすばらしい研究が行われています。この研究では、マシンに『The Office』(ジ・オフィス)や『デスパレートな妻たち』といったTV番組を視聴させ、人間の行動を予測する方法を学習させています。

MITの研究者は、マシン パーセプション(機械認知)によって大規模環境のデータから洞察を得られるようになり、産業界に革命が起きると確信しています。例えばコンピュータ ビジョンによって、病気などの問題がないかどうかをより高い精度で診断するサービスを、手頃な価格で提供することが可能になるでしょう。

まもなく、マシンは幅広いモードやドメインに学習を応用し、テキストや仮想世界からも学習できるようになるでしょう。

凄いことです!数年後には、今回のような予測をマシンに書かせている間に『The Office』を楽しんでいるかも知れません。(『デスパレートな妻たち』は私の好みの番組ではありません)

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Jeff Clarkeは、デルのオペレーション部門バイスチェアマン 兼 クライアントソリューションズ部門統括責任者です。Clarkeは同社のグローバル・サプライ・チェーン組織とエンドユーザーコンピューティング組織を担当しています。この役割においてClarkeが監督しているのは、グローバルな製造、調達、およびサプライチェーン業務、そしてデスクトップ、ノートパソコン、ワークステーション、クラウドクライアント、エンドユーザーコンピューティングのソフトウェアソリューションのエンジニアリング、デザイン、開発、営業および開発です。

Clarkeは1987年に品質エンジニアとしてデルに入社し、エンジニアリングと管理の多様な職務に従事してきました。1989 年に製品開発へ異動し、1995 年にはデスクトップ開発のディレクターに昇進しました。1997年には、Dell Precisionワークステーション製品ラインの開発・発表に従事しました。その後、リレーションシッププロダクトグループの副社長兼ジェネラルマネージャーを務めました。このグループでは、OptiPlex、Latitude、Precisionなどの製品シリーズを扱っています。クラークのリーダーシップのもと、この3つのビジネスはいずれも、 世界でトップのシェアを獲得しました。

デル入社以前は、Motorola, Inc.にて信頼性および製品担当エンジニアとして従事しました。1986年にサンアントニオのテキサス大学で電子工学の学士号を取得し、現在は同校の工学部評議会のメンバーを務めています。 

http://www.dell.com/learn/jp/ja/jpcorp1/bios/jeff_clarke?c=jp&l=ja&s=corp&cs=jpcorp1

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■デル株式会社について

デルは世界市場トップレベルのシェアを誇るエンドツーエンドのソリューション・プロバイダー、Dell Inc.の日本法人です。 総合 IT ソリューション事業 – パソコン・モバイル端末から基幹システムやクラウドの導入支援、セキュリティサービスに至るまで包括的な IT ソリューションを提供。http://www.dell.co.jp/

EMCジャパン株式会社について

EMCジャパンは、情報インフラの卓越したテクノロジーとソリューションの提供を通して、日本のお客様の情報インフラの課題解決をご支援し、あらゆる規模のお客様のビジネスの継続と成長、さらにビジネス価値の創造に貢献致します。http://japan.emc.com/

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