デル、2015年のグローバル女性起業家リーダーズスコアカードにより、男女格差が依然として女性起業家の経済力を制限していることが明らかに

2015年7月1日

デル株式会社

 

デル、2015年のグローバル女性起業家リーダーズスコアカードにより、
男女格差が依然として女性起業家の経済力を制限していることが明らかに

 

*ドイツ・ベルリン時間2015年6月30 日に発表されたリリースの抄訳版です。

  • 米国、カナダ、オーストラリアが女性起業家にとって最も適した国に選ばれたものの、依然として改善の余地あり
  • Ÿランキング上位の国でさえ、男女格差が影響力のある女性起業家の進出を阻害
  • Ÿこの調査により、改革促進に向けた対策を提案

 

ドイツ・ベルリン発 – デルは2015年6月30日、第6回目となる同社の国際年次イベント「デル女性起業家ネットワークサミット:Dell Women's Entrepreneur Network (#DWEN) Summit」において、「グローバル女性起業家リーダーズスコアカード(Global Women Entrepreneur Leaders Scorecard)」の結果を発表しました。これにより、調査対象の全31カ国において、男女格差が、女性が経営する事業の成長を妨げていることが明らかになりました。

デルがスポンサーする同スコアカードは、女性経営者の起業、事業拡大、雇用創出、業界構造の変革に関する課題と機会に焦点を当てた初めての世界的な分析になります。同スコアカードは、リーダー、政策立案者、立法者に向けて、各国の状況の改善方法を提言するとともに、女性が設立した企業の成長を可能にするための診断ツールを提供することを目的としています。2015年の結果は、世界中の女性起業家の状況について包括的な見解を示し、ベスト・プラクティスを明示しています。さらに、データの相違を特定し、各国が改善に向けて講じることのできる対策を提案しています。

「グローバル女性起業家リーダーズスコアカード」のプロジェクトディレクターであるルタ・アイディス(Ruta Aidis)博士は次のように述べています。

「さまざまな国や地域において影響力の強い女性起業家が直面する特定の課題に対処するには、総体的なアプローチが必要不可欠です。そのため、今回のスコアカードのような調査は、改革を推進する上で必要な対策を把握するのに極めて重要になります。」

デルが2013年および2014年に取り組んだ調査(英語)に基づき、2015年のスコアカードは、5つの主要カテゴリー(相対的なビジネス環境、リソースの利用可能性、リーダーシップと権利、女性起業家のための情報ルート、女性が経営する高成長企業の可能性)において全31カ国を評価した指標です。また、今回のスコアカードでは影響力のある女性起業家を抑圧された環境から解放することで証明される主要因も検討し、さらには、事業成長の可能性が実現された場合、女性が経営するビジネスが創出する雇用数も予測しています。

デルのシニア・バイス・プレジデント兼最高マーケティング責任者(CMO)であるカレン・キントス(Karen Quintos)は次のように述べています。

「起業家や中小企業の成功は、世界における経済の繁栄に不可欠です。デルは、将来、女性起業家がビジネスやリーダーシップにおいて、現在よりはるかに重要な役割を担うに違いないと考えています。当社の『デル女性起業家ネットワーク』の狙いは、女性起業家がテクノロジー、資本、ネットワークを利用して事業を拡大できるようにすることです。今回のスコアカードは、意識レベルでの認識から実際に行動を啓発させ、世界中の女性起業家が可能性を最大限発揮する上で必要となる洞察をデータに基づき提供します」

今回、調査対象31カ国の7割以上のスコアが50%を下回り、女性が経営するビジネスと男性が経営するビジネスの成長の差が世界的に大きいことを示しています(本調査の対象範囲には世界GDPの76%が含まれています)。同スコアカードでは、ビジネス環境が全体的に良好であることと、民間部門における女性の人材の流動性が起因し、米国が1位であるものの、その総合スコアはいまだ71%に留まります。米国で女性が男性と同じ割合で成長志向のビジネスを開始すると仮定すると、2年間で1,500万人の雇用創出が予測されます。

デルは、女性起業家を支援する取り組みの一環として、女性のためのシェリー・ブレア財団(英語ウェブサイト)と提携し、発展途上国の新しい女性起業家を、デル女性起業家ネットワーク(#DWEN)のメンターおよびデルのチームメンバーと引き合わせることで、女性起業家の事業成長と成功に向け支援しています。

グローバル女性起業家リーダーズスコアカードの各国ランキング

このスコアカードは、すべての国が影響力のある女性起業家の状況を改善することによって利益を拡大させることのできる可能性があること、そして起業家活動において男女格差に直面していることを証明しています。米国、ドイツ、中国、インド、メキシコの男女格差に関するデータの詳細とデジタルインフォグラフィックはこちらです。

国名

スコア

国名

スコア

国名

スコア

米国

71

ジャマイカ

49

ナイジェリア

38

カナダ

69

メキシコ

46

トルコ

36

オーストラリア

69

ペルー

45

ウガンダ

36

スウェーデン

68

パナマ

44

ガーナ

35

英国

65

中国

44

チュニジア

29

フランス

62

韓国

44

エジプト

24

ドイツ

61

ブラジル

43

インド

17

ポーランド

56

ロシア

43

パキスタン

14

チリ

51

南アフリカ

41

バングラデシュ

12

日本

49

マレーシア

40

スペイン

49

タイ

39

 

 

グローバル女性起業家リーダーズスコアカードのハイライト

  • 女性は公平なリソースの利用が必要

教育、インターネット、銀行口座、中小企業(SME)研修プログラムといった基本的なリソースの利用に関しては、依然として国によって大きな差があります。英国では、女性の87%がインターネットを利用し、女性のほぼ100%が銀行口座を持っているなど、複数のカテゴリーにおいて、男女格差がほとんどありません。それとは対照的に、このカテゴリーの最低スコアのパキスタンでは、インターネットを利用している女性はわずか10%、銀行口座を持っている女性は3%のみです。

 

  • 優れたビジネス環境においても、女性が成長資金およびイノベーション・エコシステムを利用することは依然として課題

概して、ランキング上位の国はいずれも、安定したビジネス環境を提供しており、事業規制、汚職、市場独占が比較的少なく、研究開発投資、イノベーション・エコシステム、資本の利用可能性の各レベルにおいて高いスコアを取得しています。第1位の米国は、ビジネス環境カテゴリー総合評価で最高スコアを獲得したものの、経営陣に女性を含むスタートアップ企業のうち2014年にベンチャー投資資金を受けたのはわずか13%で、女性CEOのいるスタートアップ企業ではわずか3%でした。

 

  • 国によって異なる具体的な長所と短所

ビジネスを始めるスキルがあり、ビジネスチャンスを見出している女性の割合については、ナイジェリアが最も高いことが調査結果により分かりました。しかし、ナイジェリアのビジネス環境が整っていないことが、そうした事業の成長の妨げになっていることが示されています。それとは反対に、日本は安定したビジネス環境が整っている一方で、ビジネスチャンスを見出している、またはそのスキルがあると感じている女性はごくわずかです。また、インドでは、ビジネスチャンスを見出している、またはビジネスを始めるスキルがあると感じている女性は僅かしかおらず、平等権、教育やインターネットへのアクセスの欠如が妨げとなっています。

  • リーダーの役割は依然として男性優位

調査によれば、女性がCEO、シニア・マネージャー、取締役になることで女性社員の給与と状況は改善し、事業開発活動の拡大が可能になります。中国、ブラジル、マレーシア、ナイジェリアの4カ国のみが、大手上場企業のCEOの5%が女性であると報告し、6カ国では0%でした。女性が上級経営者の35%以上を占めているのは、ポーランド、ジャマイカ、ロシアの3カ国のみです。また、フランスは女性が取締役の30%を占める唯一の国です。

  • 重要な役割を担っているのは政府

公共調達は発展途上国のGDPの30~40%以上、先進国のGDPの10~15%を占めています。しかし世界的には、公共調達契約の推定1%のみが、女性が経営するビジネスに与えられています。今回のスコアカードの対象となった31カ国のうち、米国と南アフリカの2カ国のみが、性別および公共調達に関する方針によって成長志向の女性起業家を積極的に支援しています。また、政府が性別に焦点を当てて収集したジェンダーデータは、今後の基準の変更に不可欠になります。米国、スウェーデン、フランス、ドイツの4カ国は毎年、性別に焦点を当てた事業調査を実行し、メキシコは政府が資金を提供しているすべての起業家プログラムのジェンダーデータを追跡しています。チリは、この両方を実施している唯一の国です。

 

  • 起業家を阻む男女格差

全31カ国において、起業家の知人を持つ女性はほとんどいません。つまり、起業家の模範となる人物が周囲におらず、また、起業家のコミュニティとのつながりがないということです。こうしたことは、女性がビジネスを始める傾向に影響を及ぼします。31カ国の68%で、女性は男性に比べて起業する機会が圧倒的に少ないと感じていますが、それらの国のほぼすべてで、男女それぞれの起業能力は同等であると考えています。

 

グローバル女性起業家リーダーズスコアカードの方法論

調査対象国は、21の指標で構成された総合指数に基づいてランク付けされています。21の指標は、各国の制度およびビジネス環境、利用可能性の男女格差の問題、5つのカテゴリーに分類した個人レベルでの起業家としての特性といった重要な側面に焦点を当てています。これらのデータは、Global Entrepreneurship Monitor (GEM)、世界経済フォーラム(World Economic Forum: WEF)、世界銀行、国連教育科学文化機関(ユネスコ)、国際労働機関(ILO)などの国際的に認め評価されている既存のデータセットから取得しています。

 

 

「グローバル女性起業家リーダーズスコアカード」について

グローバル女性起業家リーダーズスコアカードは、データに基づいた診断ツールであり、影響力のある女性起業家にとっての妨げを特定するとともに、女性起業家の発展に向けて状況を改善するために国レベルで講じることのできる合理的な対策を紹介します。また、評価システムによるランク付けを取り入れ、影響力のある女性起業家の共同資金を拡大すべく、政府・企業・メディア・起業家リーダー・個人に対して合理的な対策を提案します。さらに、女性起業家の成長を促す方針、プログラム、画期的な取り組みといった世界中のベスト・プラクティスに焦点を当てています。今回のスコアカード調査は、ワシントンD.C.のジョージ・メイソン大学の特別研究員であるルタ・アイディス博士の指導および指揮の下で実施されています。2015年の調査は、欧州委員会の共同研究センター(JRC)による監査を受けました。

デルについて

真の起業家が持つ明確なヴィジョンの成果として、デルは、起業家の潜在能力を発揮させ、ビジネスの成長と繁栄を支援するための技術ソリューションを開発し、起業家の成功を支援することに取り組んでいます。デル女性起業家ネットワークを通じて、デルは技術、ネットワーク、資本を得る機会を提供し、多数の女性起業家を支援します。詳細は、こちらをご覧ください。

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■DELL ロゴは、米国 Dell Inc. の商標または登録商標です。

■その他の社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

■記載内容は、2015年7月1日時点のものです。

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