デル テクノロジーズ、2018年の予測を発表 - 人とマシンの協調関係は次の時代に突入

当資料は、デル テクノロジーズが、2018年のIT業界に影響を与える大きなトレンド、変化、課題に対する予測をまとめたブログの抄訳版です。
https://www.delltechnologies.com/en-us/perspectives/dell-technologies-2018-predictions-entering-the-next-era-of-human-machine-partnerships/

 

2017年12月22日

デル株式会社

EMCジャパン株式会社

デル テクノロジーズ、2018年の予測を発表
人とマシンの協調関係は次の時代に突入

今年7月、デル テクノロジーズのリサーチ パートナーであるIFTF(The Institute for the Future、未来研究所)は、人とマシンの協調関係は次の時代に入りつつあり、今から2030年までの間に人とマシンはお互いにより緊密に協業し、私たちの生活に変革が起こるとの予測を示しました。

人とマシンは数百年にわたり協業してきましたが、今まさに、この関係はまったく新しいフェーズに入ろうとしています ―― 新しいフェーズは、これまで以上の効率性、統一性、そしてかつてないほどの可能性をもたらします。

AI(人工知能)やAR(拡張現実)、VR(仮想現実)などの新興テクノロジー、またソフトウェア、アナリティクス、処理能力の飛躍的な発展によって可能になったIoT(モノのインターネット)やクラウド コンピューティングの進化は、新しいフェーズへの歩みを加速し、後押ししています。

コネクテッドカーや家庭、仕事、銀行取引などでは、すでに明白な流れとなっており、収穫や家畜の管理を変革している畜産農家さえ存在します。こうした目まぐるしい進歩のペースの中で、次に何が起こるのかを見てみましょう。

予測1 AIが「考える仕事」を高速に行う

今後数年で、AIはユーザーによるデータ収集だけではなく、データに基づいて行う時間の使い方を変革するでしょう。企業はデータ主導の「考える仕事」にAIを活用するようになり、すべての新しいイノベーションの範囲設定、議論、シナリオ プランニング、テストなどに要する時間が大幅に短縮されるでしょう。これにより、さまざまなボトルネックが解消され、新しい優れたアイデアが泥沼にはまることなく、人々はより多くの意思決定を行いながらより俊敏に行動できるようになります。

理論家の中にはAIが人の仕事を奪うという人もいますが、これらの新しいテクノロジーは新しい仕事も創り出し、新たな機会が大きく広がります。例えば、AIのトレーニングや微調整に特化した新しいタイプのITプロフェッショナルが登場するでしょう。熟練した人間が責任を持って、優れた成果とは何か、その判断基準となるパラメータを設定するとともに、エンゲージメントのルールを決定し、「報奨」の内容をはじめとする枠組みを構築します。一度これらを実施したら、AIテクノロジーはビジネスにプラスの成果をもたらす機会を、電光石火のスピードで提案できるようになります。

予測2 IQ of ThingsモノのIQの埋め込み

2018年から、私たちはIoTにより強化した都市、組織、一般住宅、自動車へほぼ瞬時にインテリジェンスを埋め込むテクノロジーの実現に向けて、大きく歩み始めます。処理能力のコストが低くなり、コネクテッド ノード(接続したモノ)のコストがゼロに近づくのに伴い、コネクテッド デバイスの数はすぐに1,000億に到達し、また1兆デバイスへと増加するでしょう。これらのすべてが1つになった巨大なデータ環境、処理能力とAIの力によって、マシンは物的資源と人的資源のより優れた調整をサポートするでしょう。人はテクノロジーおよび私たちを取り巻くさまざまな環境の「デジタル コンダクター」(デジタルの指揮者)へと進化するでしょう。テクノロジーは人間の延長部分として機能するようになり、あらゆるモノがスマート化して、私たちは、よりスマートなライフスタイルを送ることができるようになるでしょう。

これは、「究極のモバイル デバイス」である自動車に見ることができ、超音波センサー、光線による車両間の距離計測テクノロジー、ジェスチャーの認識機能などが実装されています。これらの革新技術によって、やがて自動運転車が日々の現実として実現されるでしょう。それよりももっと前の段階で、メンテナンスの予約や保守すべき箇所の通知、ソフトウェア アップデートのスケジューリングなどを自動車自体が自動的に行う環境が普通のことになるでしょう。

予測3 人類はARヘッドセットを着用するようになる

そう遠くない将来、「本当の」現実とARの境界も明瞭ではなくなり始めるでしょう。ARの商業的な有効性はすでに明らかです。例えば建設作業者、建築家、エンジニアのチームであれば、ARヘッドセットを使って新築建造物を視覚化し、進捗状況に対する共通のビジョンに基づいてそれぞれの仕事を調整できるとともに、現場に技術者が不在の日でも作業員のトレーニングを行うことができます。

また、VRも当然ながら大きな可能性を持つテクノロジーです。VRの没入体験によって近い将来エンターテインメントとゲームの世界を変革することに疑いの余地はありませんが、ARも人間の効率を最大化するとともに進化する労働力の「部族の知識(tribal knowledge)」を活用する既定の手段になりつつあります。

予測4 お客様との関係の深化

デル テクノロジーズのDigital Transformation Index(デジタル トランスフォーメーション インデックス)によると、中規模~大規模企業の45%のリーダーが、5年以内に自社が時代遅れになるかもしれないと考えており、スタートアップ企業が自社のビジネスにとっての脅威であると認識している割合は78%に上ります。今ほどカスタマー エクスペリエンスを最優先することが重要なときはありません。

来年にかけて、予測アナリティクス、マシンラーニング(機械学習)、AIを最先端に、企業はニーズの発生時、場合によってはニーズが発生する前の段階で、お客様を理解してサービスを提供することが可能になるでしょう。カスタマーサービスは、人とマシンの完璧な融合が中心になるでしょう。 したがって、お客様とのコミュニケーションを第1世代のチャットボット(自動会話プログラム)や事前に定義したメッセージに任せるのではなく、人間および自動化したインテリジェントな仮想エージェントが1つのチームとして連携して対応するでしょう。

予測5 バイアス チェックが次のスペル チェックになる

今後10年にかけて、VRやAIなどの新興テクノロジーによって、人間は適切な場面では自らが判断しながら、感情や外部的なバイアス(先入観、偏見)なしに情報を見つけて行動できるようになるでしょう。

短期的には、企業の採用や昇進の手続きにAIを応用することで、意識的・無意識的なバイアスのスクリーニングが行われるようになるでしょう。一方、VRは面接ツールの1つとしてますます使われるようになり、例えばアバターによって採用希望者の本来の姿を覆い隠すことで、長所や価値、実績に基づいて平等な採用の機会を実現することができます。

このような形で新興テクノロジーを活用することによって、やがて「バイアス チェック」は「スペルチェック」のような定番のチェック機能になるかもしれません ―― ただし、バイアス チェックは社会全体にメリットをもたらします。

 

予測6 メディアおよびエンターテインメントはeスポーツによって新たな分野を切り拓く

2018年、ますます多くのプレーヤーが画面の後ろに座り、VRヘッドセットを着けて、コンピュータが創り出した高解像度の世界で戦うようになるでしょう。数億人のプレーヤーと観戦者がオンラインで参加するeスポーツは、メジャーな存在になるでしょう。

eスポーツ現象は、より幅広いトレンドを指し示しています。すなわち、スポーツのように典型的な「人間の」活動が、デジタル化されるようになっています。テクノロジーは、「スポーツ」をあらゆるタイプのユーザーに広げました。誰も、一定の体格や体型である必要はありません。速い触覚反応や運動能力があれば、誰でもプレーして勝利することが可能になります。

また、例えばサイクリングをはじめとするスポーツは、徐々にではあるもののデータを活用するなど革新的な技術の進歩により、競技人気の向上を実現しています。未来において、すべてのビジネスはテクノロジー ビジネスとなり、私たちの娯楽はコネクテッド エクスペリエンスになるでしょう。

予測7 「メガクラウド」に向けた歩みが始まる

クラウドは終着点ではありません。クラウドは、ITインフラストラクチャにオーケストレーション、オートメーション、インテリジェンスが深く埋め込まれたITモデルの1つです。2018年、企業は雪崩を打つようにマルチクラウド アプローチへと移行し、パブリックからプライベート、ホスティング、マネージド、SaaSまで、すべてのクラウド モデルの価値がもたらすメリットを活用するようになるでしょう。ただし、多様なクラウド環境に移行するアプリケーションとワークロードが増えるのに伴い、横の連携がないクラウドの「サイロ」が増殖することは避けられず、データ アナリティクスやAIイニシアチブによってデータの価値を最大限に引き出す企業の能力は制約されるでしょう。さらに、このようなサイロ化によってアプリケーションやデータが適切なクラウドに置かれていないと、不十分な成果しか生み出されないでしょう。

次のステップの1つとして、「メガクラウド」が出現するでしょう。メガクラウドでは、複数のプライベート クラウドとパブリック クラウドがつなげられ、首尾一貫した総体的なシステムとして機能を提供します。メガクラウドは、IT環境全体に対する連携したインテリジェントなビューを提供します。メガクラウドを実現するには、ネットワーキング(クラウド間でのデータ移動)、コンピューティング(データを最適なクラウドに格納)、オーケストレーション(クラウド間でネットワーク、ストレージ、コンピューティングをリンク)でマルチクラウド イノベーションを創出するとともに、新たな機会の1つとして、お客様はAIとマシンラーニングを導入することでオートメーションと知見を、この次世代IT環境から新たなレベルに高める必要があります。

予測8 細部にまで神経を届かせる年に

相互接続関係がますます進んでいる現在の世界において、外部の第三者に対する依存度はかつてないほど高くなっています。企業や組織は単なる微小な存在ではなく、より大きな存在の一部として高度に相互がつながったシステムとなっています。想像もできなかったような手段でテクノロジーが企業や組織を結びつけている現在、どこかで発生した混乱の影響は、かつてないほど遠くまで、またこれまで以上に速いスピードで広がっていきます。過去最大級の1つとされるデータ漏えいの事案は、サードパーティのHVAC(空調)システムへのログインIDを使った攻撃者によって行われました。

このように人とマシンの関係がますます密につながるようになったことで、ほんのわずかなミスが大規模な障害につながることも十分あり得ます。このような状況を背景に、またEU一般データ保護規則(GDPR)をはじめとする数多くの新たな規制の出現によって拍車がかけられる形で、来年は多国籍企業にとって行動の年になるでしょう。データを効果的に保護するとともに脅威を抑止するためにサイバーセキュリティ ツールとテクノロジーの導入を優先することは、必須項目としての重要性がますます高まるでしょう。

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